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ある真夏日のこと

先日、よく効く愛用のおすすめ制汗剤を友達に紹介した真夏日のこと。市議会を傍聴する機会があって、質疑の様子を眺めていた。市議は一般公開の定例会で市に対して発言することができる。自治体によって異なるとは思うけれど、市議はだいたい年二回ほど、こういう機会があるようだ。 

 

たとえば、育児や教育、観光や農業、福祉や防災などについて、市側の取り組みや考えを質していく。市も、可能なことであれば市議の要望を市政に反映させる。市と議会に大きな対立や混乱があればともかく、こうした光景が少なくとも私の暮らすところでは一般的である。 

 

市議の質問は、視察や支持者の声をもとに行われていることも少なくない。地方議会では、市町村、都道府県単位での大選挙区制、すなわち市や県をひとつの選挙区として、複数の候補者から一人ずつ選ぶ方式を採用している。けれども、市民や県民全体からまんべんなく支持を受けるよりも、特定の地域から強い支持を受けたほうが選挙には有利である。当落ラインが数千票というレベルだからだ。そいうわけで、議員たちの要望は必ずしも市や県全体からの声というわけではなく、支持の厚い地域からのものということが多い。 

 

こういうことも背景にあるのか、市議や県議同士の横のつながりは、政党や会派の枠組みを除けば、やや希薄であるのかもしれない。それでは国会でいうところの議員立法に当たる「政策条例」の制定はなかなかハードルが高い。むしろ自治体側にはたらきかけて、自らの要望を彼らの政策に反映させたほうが近道だからである。 

 

ただし、支持者からの声をただ市政・県政に反映させるだけでは、少子化・高齢化が急速に進む自治体の変化に対応できない。集落で暮らす人たちが減少し、行政サービスが行き届かなくなりつつある現状に対してどう対処すべきか。コンパクトシティといって、町の機能を集約していくにしても、それぞれの住民にとって利害の対立が生じる。こうした問題をどうするのか。 

あるいは産業の振興、企業の誘致に対して、どのような優遇措置がとれるのか。そのことが地域の活性化にどうつながっていくのか。 

 

これらの問題は、なかなか市議や県議一人で対処できるものではない。とはいえ、自治体頼みというのでは地方議会の意味がなくなってしまう。 

 

近年、さまざまな経歴の30歳~40歳代の地方議員が生まれつつある。地盤・看板・カバンがなければ議員になれないという時代も過去のものになってきているようだ。彼らのなかには、地元のつながりだけではなく、同世代の全国的なネットワークをもつ人たちも多い。 

こういう人たちが、市議会や県議会において新しい風を入れていくことは悪くない。政策条例を積極的に提案していくこともそのひとつである。 

 

ただそれには、自分「だけ」ではどうにもならない。民主主義が前提としてある以上、議会のなかにおいても協力関係を作っていかなければならない。ほかの議員を旧世代の頑迷な人間と決めつけてかかると、横の関係を構築できないばかりか、議会において自分こそが浮いた存在になってしまう。それでは政策条例の可決はおろか、次の選挙で勝てる見込みも薄くなってしまう。 

 

議員同士は、地方政治の担い手であると同時に、ひとたび選挙になればライバルである。党派が違えば協力関係を維持するのも難しい。 

けれども自分「だけ」で市政や県政が大きく変えられないものである以上、気持ちを同じくする同僚議員や、能力の高い新人議員を生み出すことによって、中長期的な地方議会の活性化を図るのがベターな選択であるように思われる。 

 

何でもかんでも若ければいいというものでもないし、目立ちたいばかりに地方議会の信頼や人間関係を毀損することが、長い目でみてその地域に利益をもたらすわけではない。 

有権者もまた、地方議員一人ひとりの資質をよく見極めた上で、投票所に足を運ぶことを心掛けたい。